生命の基本と言える水の働き
人間の身体で水は次のような働きをしています。
- 物質の溶解
- 老廃物の排出
- 体液の濃度を一定にする
- 体温調節
水はさまざまな栄養素を溶かし込んで体内の隅々まで運びます。人間の身体は生命を維持するために、指先のような末端部分ですら多くの生化学反応(栄養素が関与している)が行われています。その反応のために水という媒体が必要なのです。

水は新陳代謝を助けて、老廃物を尿や便によって排出します。尿が出なくなると、体内に毒素がどんどん蓄積され、尿毒症になって、生命を失ってしまいます。
老廃物の排出に関与しているのが腎臓です。腎臓は大量に流れ込んでくる血液をクリーニングし、有毒な老廃物を取り出して、尿として体外に排泄する働きを持っています。
老廃物というのは体外に排出される物質のことで、吐く息として空中に放出される二酸化炭素がそうです。また、よく知られているのが二日酔いの元凶であるアセトアルデヒドです。二日酔いのときやたらと水分をほしがりますが、ただ喉が渇くだけでなく、身体が毒性物質のアセトアルデヒドを洗い流すことをうながしているからです。
老廃物がたまると、血管や筋肉が硬化し、成人病、高血圧、脳出血を引き起こしやすくなります。さらに、内臓器官の働きが鈍くなり、さまざまな病気の原因になります。
細胞内液の主成分はカリウム塩で、細胞外液のそれはナトリウム塩です。細胞の外側は半透膜でできているので、水は細胞の内外を自由に行き来できるのですが、正常な身体であれば、両液の浸透圧を同じにする調節機能が働いていて水の行き来はありません。
ところが、例えば、人間の血液の10倍以上の濃度のナトリウムを含んだ海水を飲み続けた場合、血液(細胞外液)中に当然ナトリウムが増加します。つまり、濃度が高くなるのですが、これを薄めようと細胞内の水分が使われ、細胞内液は細胞外へ移動します。となると、細胞内液は減少し、脱水症状を招きます。海水が飲めないのはこの理由からです。
このように、水は細胞内と外の濃度を一定にしようとする働きをもっているのです。
人間は体温が一定範囲内でないと、スムーズに活動することができません。それどころか、さまざまな障害さえも引き起こしてしまいます。体温が37度C以上に上昇すると、体内での生化学反応に関わる酵素の働きが鈍り、身体の機能が低下します。
例えば、気温が上昇する夏には、体温が上がらないように下げるシステムが働き、熱は血液によって皮膚まで運ばれ、皮膚から空中に放散されます。あるいは、汗を流すことで水分を蒸散させて熱を発散し、体温を一定範囲内に保ちます。
このように、水は体温を調節し、生命活動をも調節しているので、水分の補給は欠かせないのです。
私たちは水分の補給をしていても、水分欠乏の状態になることがあります。発熱、下痢、嘔吐のときに見られる脱水症がそれにあたります。また、塩分の過剰摂取が原因になることがあります。極端な例ですが、先に挙げた海水の話で分かるかと思います。